医師転職サイトの比較と医者の求人【２０２３年５月最新ランキング】 > 医師 > 外科医が悩む体力と精神力の限界での綱渡り

外科医が悩む体力と精神力の限界での綱渡り

長時間手術が外科医を体力と精神力の限界に追い込むハードさ

医師の中でも外科医はとにかく多忙でハードなため、最近の研修医の間では外科医が敬遠される傾向が強まっています。外科医は残業や当直が多いこともありますが、何といっても長時間におよぶオペが体力的にも精神的にも一番キツイ。もちろん、激務を承知で外科医を選んでいるわけですが、やはりねを上げたくなることもあれば、次にもオペが控えていることが頭をよぎるとデプレッションを感じる時もあります。

外科医は家族との時間もまともに取れない繁忙さの割に、他の科と較べて外科医の年収がそれほど良くないのは、外科医ならだれでも感じる不公平感なのではないでしょうか。

しかし、やはり外科医はやりがいがあります。そのやりがいの魅力で外科医を続けられていると言っても過言ではありません。何でも屋的な一般外科や小児外科と違い、胸部外科や形成外科、口腔外科、直腸肛門外科、整形外科、甲状腺外科、乳腺外科、頭頚部外科は手術の頻度が高く、さらに消化器外科、心臓血管外科、脳神経外科では医療技術の進歩が早いため、高度な術式に追いついていかなければならないという切迫した義務感もあります。もちろん、こういった最先端の高度医療は成功率が低いため、人の命を預かる身として一切息を抜くことが許されないだけでなく、一瞬の手先の震えも許されません。まさに一回一回が一期一会の勝負です。2016年4月14日の熊本地震では、現地入りしたDMAT（災害派遣医療チーム）が驚いたのは足元が揺れて手術不可能という事態。それでもメスを持って人命を救わねばならないのが外科医です。

他の科から外科医への転科はお勧めしません。なぜなら、その激務さのギャップで外科医には耐えられない可能性があるからです。外科医から外科医への転科は可能でしょうが、他の科から外科医への転科やめておいた方が良いです。まだ若いうちなら可能かもしれませんが、４０代を越えてから他の科から外科医に転科するには、想像以上の気力と体力が要求されることを覚悟すべきです。

どの医師でもそうですが、ジョギングなどで体力を養ったり、日ごろの体調管理は不可欠です。医師は患者の健康を守るために健康であり続けなくてはなりません。医師が患者になってしまったのでは健康を守る人がいなくなってしまいます。医師は常に突発的な患者に対応できるよう、いつも臨戦態勢を整えていなくてはならないのです。

しかし、医師としての業務に少しでも支障が出るような病気になってしまった場合、例えば神経系の病で手が震えるなどを発症した場合、すぐに他の科に移るか、医師をやめるかの決断をしなくてはなりません。そのまま医師を続けたのでは医療ミスを犯し、患者を死なせてしまうことになりかねないからです。老眼での視力低下も医師にとっては命取りになりかねないのである。