アメリカ人は医療においても拝金主義

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日本とアメリカを比較すると偏在の様相が違う!

四半世紀前と比較すると日本においてもアメリカにおいても、1.5倍の人数に増えています。しかし、日本では地方の僻地における不足が叫ばれていることと比較すると、アメリカにも偏在があるものの、日本とは全く違う理由で隔たりが発生しています。ここでは、日本とアメリカの偏在の比較を、政府の政策も比較も加えてご説明します。

 

日本での偏在

日本では現在でも都市部と比較して地方での不足状態は変わっていませんが、25年間のあいだに1.5倍に増えたせいで、地方においても25年前と比較すると大幅に増加しました。これは日本で自治医科大学があり、卒業後は地方の僻地勤務が義務付けられているため、継続的に供給されているものです。医療の世界はある意味、患者の抱え込みであり、一番大きなマーケットである大都市での患者獲得競争に敗北した医療機関は、中規模都市での患者獲得競争に戦場を移してきました。それでも生き残れなかった医療機関が地方へと移っていきます。また、政府も地方医療に対して補助金を交付しているため、こういった医療機関を地方に誘導する力学が働いています。この効果のおかげで、地方都市の医療は足りないと言われながらも年々数が増え続けているのです。しかし、それに比較して人口の流出により、患者数が減少しており、その経営は苦しさを増し始めています。ただこれは都市部の大きな病院ほど設備が充実しているため高度医療を目指す者が集まるのは仕方がない面があります。

 

アメリカでの偏在

アメリカでは日本と比較して人口密度と偏在状態が一致していません。この現象について、さまざまなデータが比較された結果、住民所得の分布と一致していることが判明しました。日本と比較して、健康保険への加入者が少ないアメリカでは、いくら人口が多くても保険に加入していない貧困層相手ではビジネスとして成り立たないためだと言われています。つまり、アメリカでは比較的裕福な層が住む地域に数が多く、比較的所得の低い者の居住区では数が不足するという偏在となっているのです。また、日本と比較してアメリカは数が少ない地域に誘導する政策がなされていないため、25年間で日本と同じく数自体は1.5倍になっているものの、比較的低い所得の層が住む地域では数が減少しているという事態になっています。

 

やはりアメリカは拝金主義

こういった日本とアメリカの偏在の違いを見ると、アメリカは医療においてもやはり拝金主義なのでは、と思ってしまいますね。しかし、コンポにあるのは保険制度の違いではないかと思われます。日本ではほぼ義務的に健康保険に加入することになりますが、アメリカでは健康保険への加入は任意になっています。このため、日々の生活で精いっぱいの貧困層の人は健康保険に加入しておらず、現在でも加入率は85%程度と言われています。ほぼ全国民が加入している日本と比較すると、実に4千万人以上が保険を持っていないのです。このため、医療費が高額になるため、ますます病院に行こうとしません。アメリカンドリームと自己責任の両面を併せ持つアメリカらしい状況とも言えます。

<参考>日本医師会
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