精神内科医が個人開業に向けた有利な転職

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精神内科医は開業を目指せる数少ない科目

医療の高度化と少子高齢化に伴い、多くの科が新規での開業が困難になっている。小規模な個人病院は廃業を余儀なくされ、大規模医療施設への転職が進んでいる。しかしその.一方で、精神内科は患者が予約を取れないほど個人病院が繁盛しており、高価な設備を必要としないため開業のハードルは低いという利点があり、転科や転職を考えるなら、精神内科医は有力な転職先だ。

 

増え続ける患者数

うつ病に代表される精神疾患は年々増え続ける一方で、根本的な抑制策が見いだせない状況にある。うつ病やパニック障害といった精神疾患患者が増え続けているのは、そもそも、社会的に「なまけ病」として扱われており、疾病としての社会的認知が無かったためだという意見があるがそれは違う。IT社会の高度化により、昔なら書類を送付して回答が返ってくるまで時間があり、それが十分な休息を取る時間となっていたのだが、メールが発達した現代では、あっという間に回答が返ってきてしまうため、休む暇がないのである。またウェブの発達で、検索すれば回答が出てきてしまうものまである。一方、セキュリティーに代表されるように、ITによる管理化が進み、ミスに対して非常に厳しい社会になった。生産面で見れば、効率が高くなり、品質も上がっているが、実際に働いている人間にとっては、休む暇も無く、厳しい緊張にさらされ続けているのである。これが、うつ病を発症している大部分の原因であり、アメリカでは日本より、うつ病患者が多い。ITの進化が止まらない以上、今後も患者は増え続ける一方であろう。つまり、精神内科は需要が増え続ける科目であり、有力な転職市場であると言える。だが、一般の患者と違うのは、精神疾患患者は転職できず生活不安の苦しみを抱えている点だ。

 

精神内科医に求められる適正

映画化もされた現役外科医・病理医である海堂尊のベストセラー小説「チーム・バチスタの栄光」の主人公は、通称「愚痴内科」と言われる精神内科医の設定になっている。さすが現役医が書いただけあって、精神内科の描写は現実に忠実であり、精神内科はでは患者の愚痴とも言える病状を聞くのが診療の大半を占める。会社員で、うつ病を発症した患者は、会社内で昇進が望めないばかりでなく、うつ病であるがために転職することもできない袋小路であるため、その不安と泣き言がメインとなってくる。転職相談を持ち掛ける患者もいるという。また、近親者の死去によるショックや、失恋、いじめを原因とした精神疾患も多い。つまり、愚痴や泣き言、恨み言、を一日中聞く羽目になるため、精神内科に転職する際には、自分に人の愚痴を聞き続けられるか否かの適正を見ておく必要がある。これを怠ったまま、安易に転職すると、愚痴に耐えられなくなり、いわゆる、もらいうつ病になってしまい、ダメだと思ったときには、転職できない状況に追い込まれてしまっていることがある。

 

精神内科医の開業に向けた安全な転職ステップ

精神内科は患者の苦しみを聞き続けなければならないという精神的負担の上に、開業した場合は病院を経営するという医療以外の業務が発生する。このためいきなり開業するのは危険であり、転職でステップを分た方が良い。開業準備としての転職の場合、専門のクリニックへの転職ではなく、まず大病院の精神内科へ転職してみるべきである。これは次の転職で有利になる最新の医療知識を取り入れられるだけでなく、もし精神内科として適正が無いと判断した場合、他科への転職が容易だからである。精神内科の担架病院に転職してしまった場合、他科への転職は難しい。自分の適性が見極められたうえで、大病院で吸収した知識と技術を武器に、経営を学ぶことを目的に、単科病院へ転職することによって、転職は開業に向けた安全で確実なステップとなる。繰り返しになるが、精神内科は、優秀か優秀でないかよりも、適正があるかないか、の方が重要であることを意識して転職プランを考えるべきである。

<参考>日本医師会
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