コンタクト報酬改定で苦戦?眼科の転職と求人はスピードが肝!

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眼科の転職で成功する求人獲得法とは

全体的に医者不足が叫ばれる医療業界において、眼科の求人数は決して多いとは言えない状況にあります。若いドクターや女性ドクターからの人気も高く、常に求人枠に対して希望数が上回っているというのが現状です。そのため眼科医がより希望に合った転職を成し遂げるためには、転職動向についてよく知っておくことが肝となります。

■眼科医の転職動向

他の医療分野と比べ、眼科の求人はそれほど多くありません。理由としては、 ・眼科の専門病院がそもそも少ない ・ワークライフバランスが取りやすい勤務内容のため、女性や若いドクターからの人気が高い ・平成28年度診療報酬改定により、コンタクト関連の募集が減少傾向にある こういったものが挙げられます。 コンタクト診療に関しては、一時期需要が爆発的に高まったことから開業率も伸びました。しかし診療報酬改定によって検査料の引き下げが行われたことから、コンタクトレンズの処方を取りやめる眼科も見られます。その一方で依然として人気の高い分野でもあり、競争率はかなり高い状況です。上記のように、転職市場において眼科医の置かれている立場は厳しいというのが現実です。特に臨床経験が浅く、専門医取得のためにステップアップしていきたい若い医者にとって、より良い環境への転職は決して容易ではありません。とはいえ、眼科は比較的幅広い年代層を患者対象としている分野であることから、医者自身の経験やスキルによっては十分希望に合った転職先を探すことも可能です。日本では高齢者がどんどん増加しており、それによって白内障、緑内障、網膜硝子体などといった症状への対応が今後ますます求められます。また多数の症例を手術してきた経験豊富な医者であれば、合併症治療のために専門クリニック以外への転職を視野に入れることも可能です。

■眼科医の年収

株式会社リクルートメディカルキャリアの運営する、医者向けに特化した転職サイト「リクルートドクターズキャリア」の調査では、眼科医(常勤)の求人にもっとも多いのが「1,400万円~1,600万円未満」で、27%程度です。次に多いのが「1,000万円~1,200万円未満」で、こちらは24%ほど。その他「1,600万円以上」が17%、「2,000万円」も3%程度となっています。厚生労働省が実施した「平成27年賃金構造基本統計調査」によると、勤務医の平均年収は約1,098万円となっています。眼科医は他の分野に比べて開業医が多いこともあり、平均よりも高い年収を得ている医者が多いようです。眼科は最先端技術が常に導入される、日進月歩な領域です。そのため多くの症例を経験した医者や、高度なスキルを有している医者の場合は、より高額な報酬を得られる可能性も広がっています。専門分野を扱っている医者の場合、転職先の病院で受け入れ体制が整っているかも重要な判別ポイントとなります。前任の医者がその専門分野を扱っていた場合、当然患者も集まっていますし必要な設備も整っています。これが、自身で新しく科の立ち上げから携わる場合は非常に骨を折ることになるでしょう。また転職先が新たな設備投資に対して協力的かどうか、これも忘れずにチェックしておきましょう。  

■地域別に見る眼科医の状況

眼科医は地域格差が大きく、深刻な状況にあります。日本眼科学会によると、人口10万人当たりにおける眼科医の数は東京が17.99人で、全都道府県の中でトップ。対して最下位は埼玉の6.16人で、実にその地域格差は2.92倍!これは、医者不足が特に深刻だと言われている小児科や産科とも並ぶ数値です。東京や大阪といった大都市には、特に眼科医が集中しています。しかし眼科を必要としている高齢者が特に多いのは地方で、そういった地域にこそ眼科医が必要。実際には、地方の眼科医は人手がまったく足りていません。他の分野と比べて開業医が多いため「眼科医は他の分野の医者に比べて数が多い」というイメージを持たれがちですが、地方においては眼科医不足も深刻化しているというのが現状なのです。年収も地域によって差があります。ドクターズキャリアによると東海地方がもっとも高く「1,400万円以上」の求人が62.5%、次いで甲信越・北陸は47.6%だとしています。可能であれば、眼科医の置かれている地域格差にも目を光らせておくと、より希望に合った転職先を見つけることができるかもしれませんね。

■【転職目的別】チェックすべきポイントとは

転職に求める条件ごとに、どのような点に注意して求人案件を見るべきか、そのポイントについてまとめました。

◯独立開業を視野に入れている場合

勤務医として経験を積み、いずれは独立開業したいと考えている場合のチェックポイントです。この場合は以下の点を基準に選びましょう。 ・教育体制が整っている ・症例数・種類が豊富 ・常に市場動向を研究している 開業医の割合が非常に高いことが特徴の眼科ですが、コンタクトの報酬改定など様々な背景により、ひと昔前までよりも開業するのが難しくなってきています。そのため開業について安易に考えるのではなく、常に市場動向を見ながら経営戦略を練っている病院で経験を積むことをおすすめします。医者といえど、開業すればイチ経営者です。そのために必要な知識やスキルを「盗んで覚える」ことも必要でしょう。

◯コンタクト診療を中心に働きたい

コンタクトレンズの処方を中心としている医療機関は非常に人気が高く、求人募集が出てもすぐに埋まってしまいます。また診療報酬の改定により募集自体も減少傾向にあるため、求人が出たらすぐに問い合わせをするなどのフットワークの軽さが求められます。 ・いつから勤務可能なのか ・立地、アクセス ・診療時間 とにかく求人に対して希望が殺到するため、迅速な対応が転職成功のカギとなります。欠員補充などで医療機関側に緊急性が高い場合、なるべく早く勤務できる人を優先して採用する可能性があります。そのあたりをうまく交渉できるよう、転職サイトへ登録しておくというのも、成功率を上げる一つの手になりますよ。

◯最先端の技術に触れながらスキルを高めたい

レーシックをはじめ、眼科は最先端の技術や知識が常に求められる分野でもあります。そういった経験やスキルを得られる医療機関を探します。 ・設備、機器が充実しているか ・設備投資への理解が得られるか ・症例数やその内訳 高度な専門分野を扱うには、相応の設備や機器が欠かせません。常に進化し続ける分野のため、状況によっては新しい設備を導入する必要にも迫られるでしょう。そういった場合にも理解を示し、前向きに検討してくれる転職先かどうかの見極めが必要です。専門的な分野の臨床実態がどうなっているか、それも事前に確認しておくとなお安心できます。

◯ワークライフバランスを重視したい

非常勤やアルバイトといった働き方を選択する人が多いのも、眼科医の特徴です。当直や急な呼び出しといった対応に疲れたベテランのドクターや、家庭との両立を大事にする女性ドクターなどに人気があります。 ・休日、受付時間 ・当直の有無 ・手術件数はどれくらいか ワークライフバランスを重視した働き方を希望する場合は、実際の勤務状況をしっかりとリサーチしておくことで、実態と理想との乖離を防ぐことができます。妥協することなく事前に確認をしておきましょう。

■確認不足がまねいた失敗例を紹介

良い転職をするためには、綿密な計画を立て十分な情報収集をすることが大切です。ここでは、その事前準備を怠ったために思わぬ落とし穴に落ちてしまったとある眼科医の例を取り上げてみましょう。その眼科医は長く大学病院に勤めていましたが、高度な技術・スキルを学びながら患者ともっと密に関わりたいと考えるようになりました。大学病院では知識を得ることはできても、患者との関わりは非常に希薄だったからです。そこで彼は転職活動を始めます。その頃レーシックが話題となっていたことから、レーシック手術に対応している病院を片っ端からリストアップしました。その中で彼の目に止まったのが、非常に多くのレーシック手術を請け負っているとあるクリニックです。ホームページにも大きく「レーシックできます!」と書かれており、キャンペーン価格で手術を受けられる企画を頻繁に行っているようでした。 「ここならたくさんの患者が来そうだ。経験も積めるだろう」 そう考えた眼科医はそれ以外の病院を見ようともせず、またそのクリニックについてまともに調べようともせずに転職を決めてしまいます。ところが、いざそのクリニックでの勤務を始めてみると、違和感ばかりを覚えるようになります。手術に使う設備自体は揃っていても、それを触る医者や看護師への教育が行き届いていない。患者のためにQOLを重視する姿勢ではなく、利益追求目的の経営戦略ばかりに力を入れているのです。レーシックのキャンペーンもその一つ。「いつまでなら安くできますよ!」と囁かれれば、人は流されてしまうもの。患者の中には、レーシック手術に適さない目の状態の人もいました。契約書にサインする手を止めないために、手術によって考えられるリスクを伝えない場合もあったのです。腑に落ちないまま病院の方針に従っていた眼科医でしたが、ある日状況は一変します。そのクリニックでレーシック手術を受けた患者の一人が「リスクを伝えられないまま手術を受け、後遺症に悩んでいる」として訴訟を起こしたのです。するとその声を聞きつけた他の患者も集まってきて、ちょっとした騒動になりました。院長はもちろん、勤務していた医者や看護師も多かれ少なかれ責任を問われる事態になったのです。もちろん、何も知らずに転職してきた彼も。結局、その訴訟は和解となりましたが、クリニックは閉鎖。その眼科医はそれ以降どこの病院にも雇ってもらえなくなりました。 「あのとき、もっとちゃんと調べてから転職するべきだった。勢いに任せて突っ走ってしまった結果、人生が台無しになった」 彼は肩を落として、そう語ったといいます。これはもちろん極端な例ですが、転職とはときに人生を左右する大きなターニングポイントとなることは間違いありません。このような失敗を避けるためにも、しっかりと計画立てて動くようにすることをおすすめします。

■人気のある眼科の転職は、フットワークがカギ!

  眼科医が転職を考える際に、知っておきたい情報をまとめました。非常に人気の高い分野であること、コンタクト検査料の引き下げによる求人数の減少など、転職事情はかなり厳しくなっているというのが現状です。しかし眼科はターゲット層が広く、特に高齢者からのニーズが高まっている分野です。日本では高齢化が進んでいることもあり、今後ますます眼科を必要とする人は増えるでしょう。地域格差による、地方の眼科医不足も注目しておくべき点の一つです。自身の転職目的に合ったポイントを頭に入れておくことで、転職先の医療機関を絞り込むことができます。アンテナの感度を高めておき、希望に合った求人が出た際にはフットワーク軽くすぐに動けるように、常に準備をしておきましょう。

<参考>日本医師会
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