働く場所、地域、性別問わずチャンスが!一般内科医の転職

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「お医者さん」といえば、一般の患者がまず思い出すのが一般内科医です。それだけ日々の生活に密着した存在である一般内科医、病院の数も医者の数も多く、求人数もそれに比例して多いことが特徴として挙げられます。とはいえ多いなりの問題も隠れており、その問題点を知っておくことが、転職を成功させるためのカギとなります。

一般内科とは?

一般の患者さんにとってもっとも身近な医者が一般内科医ではないでしょうか。

総合病院では細分化された診療科に分かれ、専門的な診断・治療が受けられますが「どこを受診したらいいのかわからない」という理由から、とりあえず一般内科を受診する人は非常に多いですよね。

そのため一般内科医はさまざまな症状の患者を診ることになり、自分で診るか、他の専門科に振るかの判断を常に求められます。幅広い疾患に対しての知識を求められる、非常にゼネラルな立ち位置であると言えます。

一般内科のほか、総合内科や総合診療科と標榜していることもあり、どんな小さな町であっても……むしろ小さな町でこそ必要とされる診療科目でもあります。そのため求人数は多く、常に募集が出ている状態にあります。

どんな医療施設で、どんな働き方をするか?によって、その仕事内容もさまざまです。

たとえば外来対応なら日勤が中心になりますが、地域や施設によっては夜診もあります。夜診というのは夕方まで休みをとり、夕方から19時や20時頃まで診療を行うスタイル。会社帰りのサラリーマンでも受診しやすいという特徴があります。

夜診は近畿地方に多く関東では少ないので、馴染みのない医者も多いはず。転職に際してはこういった地域による違いも視野に入れておくと良いでしょう。

病棟管理では当直が主体となり、救急対応やオンコールでの求人が多く見られます。勤務形態もさまざまで、フルタイム勤務だけでなく週一日からでもOKという求人も見られます。

ゆったりと働きたい、家事や育児との両立をはかりたい女性の医者にも働きやすいでしょう。

一般内科の転職動向

厚生労働省が平成22年に発表した『必要医師数実態調査』によると、一般内科の現員医師数は約28,000人。他の科目と比較して、非常に多いことがわかります。

さらに必要医師数は3,976人で、こちらもすべての科目の中でトップとなっています。第二位は整形外科の1,963人ですが、その差を見てもいかに一般内科医が足りていないかが一目瞭然です。

風邪が流行る季節になると特に求人数が増加するなど、時期による多少の増減はあるものの、基本的に常にニーズのある診療科目です。地域を問わず募集は出ていますし、働く施設もさまざま。都心部には都心部なり、地方には地方なりの活躍の場が用意されています。

都心部であれば総合病院やクリニックがたくさんあります。総合病院ならゼネラルなスキルを発揮して「どこに受診したらいいのかわからない」と訴える患者の不安を受け止め、的確な判断で患者を振り分ける。クリニックならより患者と近い距離で、長期的な相談や治療に応じることができます。

また地方では高齢化の流れを受けて、老人保健施設や訪問診療、往診などのニーズがどんどん高まっています。患者本人だけでなく家族からも厚い信頼を寄せられる、非常にやりがいのある仕事です。

このように一般内科では、

・どんな施設で働くか
・誰と向き合って働くか

こういった、医者としての選択肢がたくさん用意されているのです。

一般内科の年収

ここで、転職サイトリクルートドクターズキャリアのデータをもとに、一般内科医の年収について見ていきましょう。

年齢ごとの平均年収は?
まずは年齢ごとに年収額にどのような違いがあるのか?について。

【30代】
1,000~1,400万円未満・・・58%
1,400~2,000万円未満・・・8%
2,000万円以上・・・17%

【40代】
1,000~1,400万円未満・・・44%
1,400~2,000万円未満・・・34%
2,000万円以上・・・6%

【50代】
1,000~1,400万円未満・・・29%
1,400~2,000万円未満・・・45%
2,000万円以上・・・19%

【60代】
1,000~1,400万円未満・・・29%
1,400~2,000万円未満・・・43%
2,000万円以上・・・14%

30代では「1,000~1,400万円未満」がボリュームゾーンとなっていますが、40代、50代と年齢が上がるにつれその上位である「1,400~2,000万円未満」の割合が大きくなっていきます。

このことから、一般内科医は比較的年齢が上がるにつれて年収額もアップしていく傾向が見て取れます。

一方で30代、40代、60代の医者の15%前後は「600~1,000万円未満」と回答しており、働く地域や働き方によってかなり年収額に開きがあることもうかがえます。

 

地域ごとの平均年収は?

地域ごとの年収額を見てみると、かなりバラつきがあることがわかります。

もっとも高い年収を得ている医者が多いのは北海道・東北地方で、約4割の医者が年収2,000万円以上と答えています。中部地方、中国・四国地方には年収2,000万円以上と答えた医者はゼロ、関西地方では600万円未満が6%ほど見られます。

大都市部ほど一般内科医の数が多く、その分年収額に開きが出やすいことがわかりますね。

性別ごとの平均年収は?

男性の医者でもっとも多いのが1,400~2,000万円未満の年収層で、全体の45%を占めます。1,000~1,400万円未満の39%と合わせると、84%の医者が年収1,000万円以上を得ていますね。

一方で女性の場合、もっとも多いのが1,000~1,400万円未満で59%、1,400~2,000万円は29%にとどまっています。

こうしてみると男性の方が優位に感じられますが、1,000万円以上を得ている女性の医者は88%となり、男性よりも多いことがわかります。

もっと男女の収入差が大きい科目も少なくありませんので、一般内科は比較的女性であっても活躍できるフィールドが整っているといえるでしょう。

今後求められるスキルは?

病院のゲートキーパー的な存在である一般内科の特性上、自分の専門外の症状を訴える患者さんとも多く接する機会があります。そのため幅広い病状についての知識を持っていることは、どこの医療施設で働くうえでも前提条件として求められるでしょう。

また定期健診、訪問医療、健康相談など「病気」を診るだけでなく、「患者自身」を診るプライマリケアが今後ますます重要視されていきます。それに伴って、患者と円滑にコミュニケーションを取る、しっかりと信頼関係を築けるといった「人間力」が必要とされていくでしょう。

スキル面では一般内科医としての全般的な知識のほか、内視鏡技術などの突出した技術を持っていると、転職先でより重宝されます。より良い待遇も期待できるでしょう。

開業を視野に入れる場合は?

一般内科は開業率も高く、開業を希望する診療科の中でもっとも多いと言われています。その割合は、全体の6~7割とも。とりあえず転職して経験を積み、「ゆくゆくは開業を……」と考える医者も多いでしょう。

多くの医者が開業を考えているということは、それだけ競合も多いということです。開業してから「しまった!」を避けるために、事前の準備がカギを握っています。

たとえば大阪府高槻市にある、おおぎたにクリニック(所在地:高槻市宮田町1丁目29-18、TEL:072-668-6705、院長:扇谷大輔)では、一般内科のほか胃腸内科を併設しており、内視鏡専門医による治療が受けられます。

「お腹が痛い」という症状だけでは、どこの病院に行けば良いのか患者は判断できません。持っているスキルが多ければ、より多くの患者に対応できます。可能であればワンストップで治療ができますし、より大きな病院への連携が必要であっても瞬時にその判断ができるでしょう。

たとえばもともと内科が専門であっても「心療系が苦手」「子どもは診られない」など医者によって苦手分野が存在します。開業医となればどんな症状であってもまずは自身が診なければなりませんから、一つの苦手分野が重大なウイークポイントになり得るのです。

開業で失敗しないためには、まずは自分の強みと弱みをきちんと把握しておくことが大切です。そのうえで強みをもっと活かし、弱みをつぶすために経験を積んでおく。先のことまで見据えて、転職先を探すことをおすすめします。

おわりに

「身近なお医者さん」「家族のかかりつけ医」として、患者にとってもっとも近い存在である一般内科医。求められる場所は限りなく広がっており、そのため医者の数も求人数も多いのが特徴です。逆をいえば競合も多く、年収額にもバラつきがあるということ。

より良い待遇で働きたい、いずれは開業を視野に入れたいという希望があるのなら、一般内科医としての十分な技量はもちろん、武器となるスキル、より幅広い症状に対応できる知見などプラスアルファが必要になります。

働く場所は総合病院からクリニック、老人保健施設、在宅医療まで。性別による格差は少なく、日本全国で働くことができる。一般内科医の活躍するフィールドは、まだまだ広がっています。

<参考>日本医師会
尾身さんを応援しています。
尾身茂:https://www.instagram.com/omi.shigeru/?hl=ja


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