長く男性社会だった医療業界も、近年じわじわと女医が増えてきています。しかし一般企業同様に、女性特有の理由によって長くキャリアを形成できない女医が多いのもまた事実。女医の置かれる就業事情とは、転職にオススメの診療科目とは?について、見ていきましょう。
女医の数は増えているが、長く勤めるのはまだまだ難しい
近年、女医の数は増えています。厚生労働省が発表する「医師・歯科医師・薬剤師調査」によると医者全体における女医の構成割合は、
2010年・・・18.9%
2012年・・・19.7%
2014年・・・20.4%
となっています。
2016年、2017年もこの上昇傾向は続いており、この調子で女医が増え続ければ、医者の3人に1人が女性という時代もそう遠くはないでしょう。
医療業界だけにかかわらず、一般的な企業も女性の社会進出が叫ばれて久しく、これは至極当然の流れと言えます。
しかし働く女性が増える一方で、女性が安心して長くキャリアを積める環境はまだまだ整っていないのが現実。これもまた、病院であっても一般企業であっても同じです。
厚生労働省による「日本医師会が考える女性医師勤務環境整備」の調査結果を見てみると、男性と女性の就業率には大きな違いがあることがわかります。
25歳で卒業すると仮定すると、その後男性は50歳頃までほぼ横ばいの就業率(90%以上)をキープ。その後ゆるやかに減少していき、60歳で84%となっています。
一方女性のピークは卒業直後の25歳で92.6%。その後減少していき、30歳で82%、35歳で76%まで落ち込みます。そこからはゆるやかに上昇していき、50~60歳で85%前後、あとは男性と同様にまた減っていくのです。これには女性特有のライフイベントが深く関わっています。
女医が医者を続けるうえでやってくる3つの壁
医者というだけで、一般のサラリーマンとは違うという見方をされることも多いですが、会社員であっても医者であっても、一人の女性という意味では変わりません。
多くの働く女性に訪れる大きな壁は、女医にも等しく壁となって立ちふさがるもの。ここでは、代表的な3つの壁について触れていきます。
妊娠・出産
働く女性にとって、最大の難関とも言えるのが妊娠・出産。そしてその後に続く育児期間です。
厚生労働省の調査でも女医の休職・離職理由ナンバーワンはダントツで「出産」。これが全体の70%を占めます。時点は「子育て」で、38%。
妊娠・出産・育児が、いかに女医が働き続ける大きな壁になっているかがおわかりでしょう。
妊娠中の体調変化については個人差が大きく、何の問題もなく妊娠後期まで働くことができる人がいる一方、初期はつわり、後期は切迫早産などトラブルを抱える人も少なくありません。
また育児が始まれば、子どもが小さいうちは預け先や突然の体調不良などで思うように働けなくなります。病児保育に対応した託児所を併設している病院もありますが、病気の我が子を預けてまで働くべきなのかと悩む女医も多いです。
長く安心して働くためには、同じような経験を持つ女医が多く在籍し、理解を得られやすい環境に身を置くことが大切。何かあった際には「お互いさま精神」でサポートし合える、そんな職場が理想的です。
夫の転勤に伴う転居
夫が転勤族である、もしくは医局勤めでいつどこに飛ばされるかわからない状況だという女医も多いでしょう。一般的なサラリーマンの妻であっても、こうした状況に置かれているとなかなか雇ってもらえないといいます。
厚生労働省の調査によると、夫の転勤に伴う退職は全体の約11%。どうしても転居したくないという場合、平日は別居状態、週末だけの結婚生活を送ることもあるようです。
もちろん、夫婦が納得のうえでの結論であればそれでも構いません。ですが「そこまでして今の職場にいるつもりはない」という場合、転居先で新たな職場を探す必要があります。
見知らぬ土地で一人っきりの転職活動はむずかしいもの。その場合は転職エージェントを利用するのも一つの手でしょう。
身内の介護
子育てが一段落して、やっと本格的に仕事に復帰……と思ったら、次にやってくるのが介護問題。家庭の事情によって自宅ケアが中心となるのか、ホームに預けるのかなどは変わってくるでしょうが、家族として何かしらの負担は避けられません。
ある程度身の回りのことは自分でできる状態であっても、病院への送迎やヘルパーさんとの打ち合わせなどもあるでしょう。その都度休みを取ったり、早めに上がらせてもらったりする必要があるので、職場の理解は欠かせません。
それだけでなく、女性の場合は仕事と家事、そして介護に追われる毎日に疲弊しきってしまう場合も。マイペースを保ってゆったりと働ける環境を求めて、転職するケースも増えています。
女医が多く、働きやすい診療科目は?
刻々と変化するライフステージの途中で、転職を考える女医も少なくありません。もし「どんな科目が働きやすいだろう?」と悩んだ際には、女医の働く比率が高い科目がオススメ。
たとえば、眼科・皮膚科・麻酔科などがそれに該当します。いずれも夜勤や当直がほぼなく、スケジュールが立てやすい、家庭と両立しやすいという特徴があります。また短時間勤務や非常勤の募集も出やすいです。
女医が多く働いているということは、それだけ受け入れ体制が整っており「フルタイムでバリバリ働くのは難しいけれど、医者としてのキャリアは続けていきたい」というニーズにも対応してもらいやすいということです。
とある女医の転職成功事例
Aさんという女医は、大学を卒業後、医局員として昼も夜もない働き方をしていました。しかし出産を経験して母となり、診療や研究をしっかり続けながら子どもの面倒も見られる、そんな転職先はないか?と考えるようになったのです。
結局Aさんは、不妊治療など女性の医学を専門に取り扱うオーク住吉産婦人科(所在地:大阪府大阪市西成区玉出西2丁目7−9 電話:06-4398-1000、管理医師:多田佳宏)に転職。
顕微授精、胚凍結保存など先端のART技術に触れながら、医者として診療・研究を行っています。まわりには子育て経験のある女医が多く、子どもの体調不良にも理解があり、お互いにサポートし合って働けているといいます。
肩の力を抜いて自分自身のキャリアを見直した結果、仕事と家庭の両立につなげることができた。女医として理想的な転職の成功事例と言えるでしょう。
おわりに
女医の仕事事情を取り巻く環境にスポットを当ててご紹介しました。女性の活躍が求められる現代において、さまざまな理由で第一線を離れざるを得ない女医が多いのは非常に残念なことです。
ライフステージの変化に伴い、「仕事を辞めるか否か」という究極の選択を迫られることもあるでしょう。もし「医者としてのキャリアを持ち続けたい」という希望があるのなら、働きやすい環境への転職を考えてみてはいかがでしょうか。
一般的に女医が多く、働きやすいとされる眼科・皮膚科・麻酔科を例にあげましたが、必ずしもこの3つの中から選ぶ必要はありません。自分の置かれている現状、今できること、今後挑戦してみたいことなどをしっかりと整理し、そのうえで受け入れてくれる病院を根気よく探せばいいのです。
そのために、転職エージェントを活用するのも一つの手。女医の転職に強いエージェントもいます。そういったところならより親身になって相談を聞いてもらえますし、希望に合った転職先を見つけやすくなるはずです。
せっかく志した医者という職業を、女性だからという理由だけで手放してしまうのはもったいない!あきらめずに、あなたが輝ける仕事場をぜひ見つけてください。
<参考>日本医師会
尾身さんを応援しています。
尾身茂:https://www.instagram.com/omi.shigeru/?hl=ja
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